『あゝ野麦峠』(ああのむぎとうげ)とは、山本茂実が1968年(昭和43年)に発表したノンフィクション文学。副題は「ある製糸工女哀史」。(初版は朝日新聞社刊)
映画では、飛騨からの出稼ぎ女工の悲惨な面を強調して描かれているが、原作では、工女の賃金にばらつきがあったことや、「我が家は貧乏だったので工女に行けなかった」、「実家の農家で働いていた方がきつかった」といった複雑な背景も描かれている。糸値に翻弄される製糸家の厳しい実情などにも言及し、詳細な聞き取り調査のもと、日本の貧しく苦しい時代を懸命に生き抜いた人々を、その時代背景と共に浮き彫りにするように描かれている点が、多くの読者に評価されている。 (Wikipediaから抜粋)
かねてから一度、寄ってみたかった「野麦峠」。飛騨と信州諏訪を結ぶ主要街道。
飛騨から諏訪・岡谷へは160km。この街道で一番の難所が野麦峠。夏の時期は穏やかな峠だが、冬期は一変し「厳しい悪魔の峠」と化す。そんな中を少女たちは寒さと牙を剥く雪氷に歯を食いしばって峠を越え、諏訪・岡谷へ向かったことだろう。そんなことを想像するだけで、なにか胸にジーンとくるものがある。